友の会読書サークルBooks

本の紹介「きのこの下には死体が眠る!?」

「きのこの下には死体が眠る!? 菌糸が織りなす不思議な世界」吹春俊光著、技術評論社、2009年6月、ISBN978-4-7741-3873-2、1580円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。
[トップページ][本の紹介][会合の記録]

【萩野哲 20090824】
●「きのこの下には死体が眠る!?」吹春俊光著、技術評論社

 ややびっくりするようなタイトルは、本書がアンモニア菌の紹介を軸に話を進めていることに由来する。アンモニア菌は、死体や糞の分解過程で生じるアンモニウムイオンを栄養源とする菌であり、相良直彦(著者の師匠)による「ぶっかけ実験」でその広範な生息が明らかにされてきた。アンモニア菌の発生源を知るため、野外で発生したキノコの下を必ず掘って確かめる等、執拗な追求により、ついに高い評価を受けるに至る。本書には、アンモニア菌だけではなく、キノコの分類や毒、分布等の話題も載っており、キノコ全体の最新知識を得ることができる。

 お薦め度:★★★  対象:森の不思議の一端を垣間見たい人

[トップページ][本の紹介][会合の記録]