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本の紹介「決着!恐竜絶滅論争」

「決着!恐竜絶滅論争」後藤和久著、岩波科学ライブラリー、2011年11月、ISBN978-4-00-029586-4、1200円+税


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【中条武司 20120221】
●「決着!恐竜絶滅論争」後藤和久著、岩波科学ライブラリー

 1980年、巨大隕石の衝突が恐竜の絶滅の原因だったのだというこれまでの地質学の常識を覆す論文が発表されて以来、その反論と応酬の繰り返しであった恐竜絶滅論争。本書はこれまでの論争の経緯と「隕石衝突こそ恐竜の絶滅原因に間違いない」と2010年にサイエンス誌に発表された論文の内容を紹介している。書かれているように直接この分野の研究に携わっていないと、何がどこまでわかっているのか(わかっていないのか)が理解しにくい事象をコンパクトにまとめてくれているのがありがたい。隕石衝突場所から離れるほど絶滅率が低くなっていることや、植物の絶滅−回復過程、種による絶滅率の違いなど、ここまでわかっているのを初めて知った。全体にコンパクトにまとめすぎなのと、後藤さん本人の津波堆積物の研究があまり紹介されていないのが残念。

 お薦め度:★★★  対象:恐竜絶滅の研究事情を知りたい人

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