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本の紹介「ハトはなぜ首を振って歩くのか」

「ハトはなぜ首を振って歩くのか」藤田祐樹著、岩波科学ライブラリー、2015年4月、ISBN978-4-00-029637-3、1200円+税


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【森住奈穂 20150826】
●「ハトはなぜ首を振って歩くのか」藤田祐樹著、岩波科学ライブラリー

 あれは5年前、生まれて初めてバードウォッチングに参加した折のこと。ハトを見て博物館の先生が「なぜ首を振って歩くのか、聞いてはいけません!」。見慣れたハトの首振りの理由が、解明されていないなんて不思議。もともと人類学を専攻していたという著者は、二足歩行という共通項からヒトからトリへ研究対象を移し、現在は首振り研究者を自認。V字首振りのコアホウドリや、水中で首振りるカイツブリなど、さまざまな首振りに首を突っ込んでおられる模様。目が横についている鳥たちは、視覚のブレを軽減するために首を振っていて、さらに歩行の安定性や採食行動が首振るか否かを分けているのだそうだ。ただ、いろいろなパターンがあって単純なものではなさそう。ちなみにセキレイの尾振りも、「聞いてはいけません!」だったけれど、本書にはその謎解きも登場する。

 お薦め度:★★★★  対象:ハトに「なんでやねん」とつぶやいたことのあるひと
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