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本の紹介「発酵は力なり」

「発酵は力なり 食と人類の知恵」小泉武夫著、NHKライブラリー、2005年5月、ISBN4-14-084183-4、830円+税


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【西澤真樹子 20060218】
●「発酵は力なり」小泉武夫著、NHKライブラリー

 納豆、醤油、味噌に漬物。ザーサイ、テンペにチーズに酒。造り酒屋のうまれで、応用微生物学を専門とする著者が、発酵食品とそれをとりまく文化を訪ねて世界中を飛び歩いた豊富な体験を元に語った、NHK講座のテキスト集。
 開けると爆発する魚の缶詰、40年モノの鯉のなれずし、「臭豆腐(チートウフウ)」。一歩間違えば「ゲテ食」と呼ばれそうな、食品と非食品のギリギリのラインに位置しそうなものでも、著者はその驚異的な胃袋と舌で堪能する。もちろん、同行した『若い人たち』はおなかを壊して大変な思いをするようだが、著者はオリジナルレシピの「乾燥納豆」を10キロくらい作って持っていき、毎日恐ろしいほどの量を食べて自身の腸の中を納豆菌の『巣』のようにすることで食中毒をはねとばしてきた…らしい(これは発酵菌が悪玉菌をしのぐ力を持っていることによる)。ただし、ビバ!発酵菌!最高!の勢いで笑って読めるのは15章まで。16章の『日本食再考』で語られる「家庭の食の崩壊はお母さんたちの怠慢」という紋切り型なまとめ方にはひとこと言いたくなるし、17章の『人類を救う発酵革命』に至っては六尺花火のあげすぎ。楽しいオマケは42Pと99Pに載っている乾燥納豆と甘酒のレシピ。

 お薦め度:★★  対象:食いしん坊のあなたに

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