友の会読書サークルBooks

本の紹介「ドーキンスvs.グールド」

「ドーキンスvs.グールド」キム・ステルレルニー著、ちくま学芸文庫、2004年10月、ISBN4-480-08878-4、1000円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。
[トップページ][本の紹介][会合の記録]

【和田岳 20050222】
●「ドーキンスvs.グールド」キム・ステルレルニー著、ちくま学芸文庫

 進化に関わる本を何冊も出しているドーキンスとグールド。このとってもメジャーな二人の論争を整理して紹介してくれている本。二人の主張のどこが一致していて、どこが違うのか。科学論を専門とする著者は、両者にとって科学とは何かにまで踏み込んで、論争の本質を説明してくれる。200ページほどの薄い文庫本だが、中身は濃い。ただ、解説は蛇足。
 ドーキンスとグールドって、とかく対立させられがちだが、その主張の多くは大部分一致しているし、一致していない部分も進化について説明したい側面が違うだけ。誤解に基づく不毛なやりとりを排除して、その紹介はとてもバランスがいい。進化についての手頃なガイドブックでもある。

 お薦め度:★★★  対象:進化に興味のある人。できればグールドやドーキンスの本を読んだことのある方が望ましい。

[トップページ][本の紹介][会合の記録]