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本の紹介「図解・感覚器の進化」

「図解・感覚器の進化」岩堀修明著、講談社ブルーバックス、2011年1月、ISBN978-4-06-257712-0、980円+税


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【萩野哲 20141214】【公開用】
●「図解・感覚器の進化」岩堀修明著、講談社ブルーバックス

 よく“5感”というけれど、本書では視覚、味覚、嗅覚、平衡・聴覚、および体性感覚の6感として扱っている。平衡覚と聴覚とをいっしょに説明しているのは、これらが構造的に同じ「膜迷路」という受容器で感知されるからで、当初平衡覚を司る器官であった膜迷路が、後に聴覚の機能を獲得したことを教えられた。耳慣れない体性感覚とは、皮膚感覚と固有感覚とを合わせた感覚で、触覚は皮膚感覚の一部に過ぎないらしい。固有感覚とは、筋肉や関節の動きによって生じる感覚で、無意識な体のバランス調節を担っているのだそうだ。最後に、とても奇妙かつ急速に進化を遂げたクジラ類の感覚器について触れている。進化の可能性について考えさせられる1章である。「内臓の進化」同様、進化的観点から、様々な動物の感覚器の発達がわかりやすく解説されている。

 お薦め度:★★★  対象:進化に関心のある人

【和田岳 20141219】
●「図解・感覚器の進化」岩堀修明著、講談社ブルーバックス

 視覚器、味覚器、嗅覚器、平衡・聴覚器、体性感覚器の順で、さまざまな動物の感覚器を紹介。最後にクジラの感覚器を紹介して終わる。体性感覚器とは、触覚など皮膚感覚の類いの事。なぜかヘビの赤外線受容器も、ここで紹介される。哺乳類を中心とする脊椎動物が紹介の中心だが、他の無脊椎動物も随時登場する。
 勉強になって面白いのだけど、姉妹編の「図解内臓の進化」ほどは面白くない。一つには視覚器や平衡・聴覚器の進化は、すでに他の本でもよく取り上げられる話題で、新鮮味が少ないことかと。

 お薦め度:★★  対象:いろんな動物の感覚器を知りたい人

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