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本の紹介「ウェットランドの自然」

「ウェットランドの自然」角野康郎・遊磨正秀著、保育社、1995年5月、ISBN4-586-31203-3、2234円+税


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【早川友康 20041022】
●「ウェットランドの自然」角野康郎・遊磨正秀著、保育社

 水田や水路、ため池などの身近なウェットランド(湿地)から釧路湿原などの人の手があまり入っていないウェトランドまで、日本のさまざまなウェットランドの環境の様子や、そこで暮らす生物などを紹介している。また、ウェットランドの生態的役割をわかりやすく解説し、「多自然型川づくり」についてもふれ、人とのかかわりの歴史をふまえつつ保全への道を探っている。

 お薦め度:★★  対象:水辺の自然に興味のある人

【六車恭子 20041022】
●「ウェットランドの自然」角野康郎・遊磨正秀著、保育社

 日本の変化に富み豊かな生物相を育む自然を語るのにウェトランドの環境は外せない。そこは私たちの生活に密着した湖沼やため池、河川や水路、水田、湿原や干潟などさまざまな水域や湿地が含まれる。多様な生命を育む「生命のゆりかご」が危機にさらされているのだ。このウェットランドの生産性が熱帯雨林にも匹敵すると聞いたなら、私たちも立ち止まらざるをえないだろう。この本は「ウェットランドの自然」のしくみにに導くガイドブックであり、特定の自然に導く案内書では無さそうだ。

 お薦め度:★★  対象:環境問題を取り組みたい人

【和田岳 20040922】
●「ウェットランドの自然」角野康郎・遊磨正秀著、保育社

 まずは、河川、水路、湖沼、ため池、水田、湿原、湿地、干潟・塩湿地といった様々なウェットランドを説明した上で、そこに生息する植物と動物を紹介。その後、現在危機にあるウェットランドの現状、そしてその保全の取り組みと話は進みます。写真を多用しての説明はいいのだけれど、全体に教科書的で、読んでいてもあまり楽しくありません。著者の二人は、水生植物とホタル・魚の専門家だけあって、自分の得意分野の解説は力が入っているが、その他は通り一遍の感じが…。ウェットランドとはどんなもので、その現状がどうなっているかを概観するにはいいでしょう。
 なお写真のキャプションには誤りがあって、91ページにケリとあるのは、夏羽のユリカモメ。111ページの上のモリアオガエルは、ニホンアマガエルです。

 お薦め度:★★  対象:広い意味での湿地の教科書を読みたい人

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