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本の紹介「土のなかの奇妙な生きもの」

「土のなかの奇妙な生きもの」渡辺弘之著、築地書館、ISBN978-4-8067-1413-2、2011年1月、1600円+税


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【和田岳 20111028】【公開用】
●「土のなかの奇妙な生きもの」渡辺弘之著、築地書館

 ミミズ・ヤスデ・ダンゴムシ・ダニから、シロアリ、陸貝、オキナワアナジャコ、ナギサハネカクシ。果てはヒメハナバチやプレーリードッグまで。土壌動物でなくても、多少なりとも土の中と関わりのある動物ならなんでも出てくる。
 ちょっと力をいれて書いてあるのは、ミミズ、ヤスデ、ダンゴムシ、外来生物といったところ。それですら一つ一つは短い。次から次へといろんな話が並んでいる。興味深い内容が多いが、全体的にはまとまりがない感じは否めない。これを読んで興味を持ったら、巻末にあがっている参考文献を読んでみるといいだろう。

 お薦め度:★★★  対象:マイナーな不思議な動物に興味がある人

【中条武司 20110826】
●「土のなかの奇妙な生きもの」渡辺弘之著、築地書館

 土のなかの生物にはまだまだわかっていない生態系が隠されているという。その知られざる土壌生物の不思議な生態を紹介。列車を止めるほど大発生するヤスデの不思議、ミミズやアナジャコ、シロアリ、ハチ、プレーリードッグなど様々な生きものが土壌を撹拌する話、土壌生物でも問題になる外来種など普段目につきにくい生きものが数々紹介される。でも、なんか説明部分が少なく消化不良な感じ。著者の思いつくまま気まぐれに書いた印象がぬぐえない。

 お薦め度:★★  対象:奇妙な生きもの好きな人

【萩野哲 20110418】
●「土のなかの奇妙な生きもの」渡辺弘之著、築地書館

 土の中、土の表面に生息する多様な生物をトピックス的に解説した書である。土壌動物の主流であるトビムシやササラダニの解説よりはちょっと変わったもの(確かに「奇妙な」)を集めてきた印象がある。特に、ヤスデ類の印象が強い。また、シロアリ、ミミズのような土を耕す動物も著者のお気に入りのようである。ただ、新しい情報とともに、昔著者が別の本で使った情報も多いようだ。グラビアのカラー写真と同じものが本文中でもモノクロで出てくるのは手抜きに見える。

 お薦め度:★★★  対象:足の下のキモかわいい生物に興味がある人

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