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本の紹介「ツバメ観察記」

「ツバメ観察記」孝森まさひで文・写真、福音館書店「たくさんのふしぎ」2004年3月号(第228号)、667円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
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【田中久美子 200404023】【公開用】
●「ツバメ観察記」孝森まさひで著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2004年3月号

 日頃、見慣れているはずのツバメ。あちらこちらの軒先を行きかい、ピーチクやってるのは、この季節どこかへ出かけるたびに見かけているが、あらためてこの「観察記」を見ると「ツバメってこんな顔してたんだ!」とか「ヒナは顔よりでかい口を開くんだ!」とか、知ってるようで知らないことばかり。
 巣作りの仕方から“渡り”までいっしょに観察しているような感覚で見れて、とっても楽しい!
 よっし、今年は近所のツバメの巣をのぞいてみよう!(フンをかけられないようにね!)

 お薦め度:★★★  対象:ツバメを見たことないという人はいないと思うので、子供から大人まで誰でも楽しめるでしょう。

【瀧端真理子 20040330】
●「ツバメ観察記」孝森まさひで著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2004年3月号

 ツバメの巣作り、抱卵、給餌、巣立ちを5月9日から6月26日まで、観察日記風に写真とともに綴った手ごろな本。定価700円という価格も魅力。毎朝一つずつ卵を産んでいくとか、全部産み終わるまでは抱卵しないとか、卵の時よりヒナが孵ってからの方がずっと抱き続ける必要があるとか、鏡を使っての観察含め、日本でのツバメの暮らしぶりが次々と紹介されている。
 紛れ込んだ巣立ちビナを含めて、6羽並んだ顔がとても可愛らしい。これだけ、きっちり紹介されてしまうと、次は何を調べたらいいの? と思ってしまうのが玉に瑕。
 巻末についているB級付録「ふしぎ新聞」も改善の余地大。

 お薦め度:★★  対象:ツバメの巣を身近に見る人

【寺島久雄 20040406】
●「ツバメ観察記」孝森まさひで著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2004年3月号

 春と共にやってくるツバメは、子供の頃より何時も身近に出会っていたが、意外とその生態は知られていない。
 燕尾服を着た美しい姿の写真と観察記録を読むと、繁殖記録を改めて驚きを感じさせられる。
 子供達が読んで、自然観察のきっかけとなればと願ふ本であります。

 お薦め度:★★★  対象:ツバメや鳥達を知りたい人に

【西村寿雄 20040227】
●「ツバメ観察記」孝森まさひで文・写真、福音館書店「たくさんのふしぎ」2004年3月号

 鳥好きの著者が、身近に見ているツバメに興味を持って、巣作りから子育てまでを記録した観察日記風の写真本である。もう、春はすぐそこまで来ている。
 ツバメのすいすいと飛び交う姿は、春の訪れを待っている雪国の子どもたちには、とりわけ心待ちにしている光景だろう。というわけで、今月はツバメの本の紹介である。
 この本では、日ごとに変化していくツバメの巣作りや子育ての様子が生き生きと写し出されている。著者のカメラ技術はたいしたものである。抱卵の時、メスはひんぱんにえさをとりに出てその間卵は温められていないと文にある。ツバメはどのくらいの時間卵を抱いているのだろうか。著者の観察によると、一回の親鳥の帰巣中では平均10分ぐらいだそうで、おまけに巣を出ると五分ほど帰ってこないという。そんなに無防備でいいのだろうかと著者もいぶかる。それでも、雛は日に日に育っていく。日ごとにたくましくなる雛たちの姿が楽しめる。

 お薦め度:  対象:ツバメの姿を心待ちにしている子どもに

【六車恭子 20040423】
●「ツバメ観察記」孝森まさひで文・写真、福音館書店「たくさんのふしぎ」2004年3月号

 長年日本各地で野鳥の観察と撮影を行ってきた著者がツバメの巣作りから巣立ちまでをドクメンタリー風に列ねたもの。
 毎年春先に私たちの街に訪れ、子育てをして南に帰って行くツバメたちについて、この絵本を手にすると私たちの知識が、いかに曖昧であるかが明瞭になってきます。ツバメの一家を見つめる著者の努力と粘りが遺憾なく発揮され微笑ましい情景の一瞬が選び撮られている。ただ、惜しむらくはまとめがされていない点。美しい観察ノートを覗かせてもらっている感じはいなめません。

 お薦め度:★★  対象:わが町の魅力を再発見してみたい人

【村山涼二 20040419】
●「ツバメ観察記」孝森まさひで文・写真、福音館書店「たくさんのふしぎ」2004年3月号

 ツバメの巣作りの3日目から観察を始め、巣が完成して3日目に産卵、卵を抱き始めて15日目にヒナの誕生。親鳥がえさを運んできて「チュチュ」と鳴くと、目の見えないヒナは、口を大きくあけてせいいっぱい首を伸ばす。その姿はなんともかわいい。生まれて17日目に親鳥がヒナにえさを運んだ回数は、朝8時から5時まで9時間に546回。ずっと数を数えている作者の姿が目に浮かぶ。巣立ちから南の國への渡りまで、更に南に國での暮らしに思いをはせる。温かい観察者の目でとらえたツバメの生態観察写真は実に美しい。

 お薦め度:★★★  対象:小学2年生より大人まで(読み聞かせなら幼稚園から)

【和田岳 20040422】
●「ツバメ観察記」孝森まさひで文・写真、福音館書店「たくさんのふしぎ」2004年3月号

 一つのツバメの巣の造巣から育雛までを、毎日のように撮影した写真でつづった観察記。巣立ち後に集まる集団ねぐらの様子や、渡りの様子も付いている。
 単に一つの巣を撮り続けただけだが、とくに雛が成長していく様子はかわいく、また街で見かけた巣の雛が何日齢くらいかを知るのにも役立つだろう。雛が大きくなってきた時に、よその雛が混じって一緒に給餌を受けていたという観察は、今後の研究テーマとしてもおもしろそう。

 お薦め度:★★  対象:街中でツバメの巣を見た事のある人

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