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本の紹介「寺田寅彦の地球観」

「寺田寅彦の地球観」鈴木堯士著、高知新聞社、2003年11月、ISBN978-4-87503-349-3、2000円+税


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【西村寿雄 20080811】
●「寺田寅彦の地球観」鈴木堯士著、高知新聞社

 ウェーゲナーの「大陸移動説」は,1920年当時,主に地球物理学者地理学者によって伝えられていた。日本では,寺田寅彦を初め何人もが「大陸移動説」に賛成の意見を述べている。特に寺田寅彦は,独自の地球物理学的な解釈から「大陸移動説」に理論的な裏付けをしていた。寺田寅彦自身がちょうど1909年からドイツに留学していたこともあって,ウェーゲナーの理論を一番解していたこともあると思われる。
 当時の寺田寅彦の欧文論文はあまり地質学者には読まれなかったが,数年前から元高知大学の鈴木堯士さんが,寺田寅彦の業績に目を付けられ寺田寅彦の欧文論文を解析されていた。この本によると,寺田寅彦は1930年代にあって,日本列島誕生物語をもとに〈大陸移動説〉を説いていたし,プレートテクトニクス論をも伺わせる論文も書いていた。
 寅彦の業績再認識の本である。

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