友の会読書サークルBooks

本の紹介「テングザル」

「テングザル 河と生きるサル」松田一希著、東海大学出版会、2012年2月、ISBN978-4-486-01846-9、2000円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。

[トップページ][本の紹介][会合の記録]


【和田岳 20120628】【公開用】
●「テングザル」松田一希著、東海大学出版会

 フィールドの生物学シリーズ第7弾は、原点回帰。何にも分かっていない若者が単身、東南アジアのフィールドに飛び込んで、フィールドを開拓し、研究を進めて、一定の精かを得るという物語。
 舞台はボルネオ、ターゲットはテングザル。フィールドにたどりついて、現地のスタッフを雇って、個体識別して、テングザルを追いかけ回し、テングザルが食べていたものを同定する。
 葉っぱ喰いのサル(哺乳類)と果実食いのサル(哺乳類)では生理的にとても違うという話が一番面白い。葉っぱ食いには熟した果実はかえって毒とは知らなかった。

 お薦め度:★★★  対象:若者の成長物語が好きな人

【岩坪幸子 20120524】
●「テングザル」松田一希著、東海大学出版会

 日本では馴染みの薄いテングザルをボルネオ島での13ヶ月の観察・調査の記録を元に記された「テングザル」の紹介本。テングザルの生態・その行動の意味を探り、緻密な調査で新発見の事実がいくつも明らかになっていく。その過程も興味深いが、合間に差し挟まれる研究の実態・苦労話が面白い。研究者を応援したくなる。大変読みやすい。

 お薦め度:★★★★  対象:野生動物の保護に関心のある方

[トップページ][本の紹介][会合の記録]