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本の紹介「タヌキ学入門」

「タヌキ学入門」高槻成紀著、誠文堂新光社、2016年1月、ISBN978-4-416-11547-3、2000円+税


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【森住奈穂 20160414】【公開用】
●「タヌキ学入門」高槻成紀著、誠文堂新光社

 都会に暮らすシティー・ダヌキがいるものの、そうそう姿を見ることはないし、昔話に登場する有名タヌキがいるから、何となく知っている気がする。そんな微妙な距離感の野生動物、タヌキ。本書は動物学的観点からのタヌキにとどまらず、そのイメージについても考察。日本人がタヌキに抱くイメージの変遷は、身近な野生動物と人との関わりあい方を反映しており、それは人間社会の在り方について考えることでもある、とのこと。さすがに「化かされるから近寄りたくない」と考える人は現代にはいないだろうけど、別に避けているわけじゃないのに、タヌキの暮らしぶりについて知らないことばかりだったと気付かされた。意外にもに葉っぱをたくさん食べていた。タヌキは葉っぱを頭に載せるものだと思っていたのになぁ。

 お薦め度:★★★  対象:タヌキといえば、「かちかち山」か「ぶんぶく茶釜」なひと
【和田岳 20160303】
●「タヌキ学入門」高槻成紀著、誠文堂新光社

 シカの研究者で知られた著者が、なんとタヌキの本を書いた。持ちネタは、学生と行ったタヌキの糞分析の話。あとは他の人の研究を紹介したり、タヌキの一般的な話や生態学の話をさらっとして一冊に。
 第1章「タヌキの基礎知識」はイントロ。第2章「タヌキのイメージを考える」はタイトル通り。読み飛ばしていい。第3章「タヌキの生態学」と第4章「東日本大震災とタヌキ」は、タヌキの糞分析をしましたって内容。第5章「タヌキと私たち」は都市のタヌキの話。だけど、東京のタヌキの話しか出てこなくって不満 。

 お薦め度:★★  対象:タヌキのことをまったく知らない人、あるいはタヌキの糞分析に興味のある人
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