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本の紹介「田んぼの虫の言い分」

「田んぼの虫の言い分 トンボ・バッタ・ハチが見た田んぼ環境の変貌」NPO法人むさしの里山研究会編、農文協、2005年3月、ISBN4-540-04258-0、1524円+税


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【田中久美子 20050902】【公開用】
●「田んぼの虫の言い分」NPO法人むさしの里山研究会編、農文協

 トンボ屋、バッタ屋、ハチ屋の3人が、実際に田んぼに棲む虫たちを採集して、田んぼの生物の多様性を示して、田んぼの自然環境回復を訴える。休耕田が湿地になった場所にトンボ公園を作ったり、休耕田で耕作を始めたり、実際に行動しながら生物の多様性豊かな田んぼ作りを模索する姿勢はすばらしいと思う。
 ただ農家と非農家の意識のへだたりにもっと踏み込んでいかない限り事態の改善は難しいのではというジレンマを感じる。

 お薦め度:★★★  対象:虫好きの人は特に感じるところが多いでしょう

【和田岳 20050902】
●「田んぼの虫の言い分」NPO法人むさしの里山研究会編、農文協

 3人の虫屋が、それぞれトンボ、バッタ、ハチについて、田んぼに絡めて紹介。最後の章では、トンボの著者が田んぼの生き物全般と、自分たちが行っている田んぼの生物多様性を守る取り組みを紹介する。
 トンボ、バッタ、ハチの各章の出だしは、それぞれの自己紹介。生い立ちや虫と関わることになった経緯を紹介している。最後の章を含めると、タイトルは「田んぼの虫屋の言い分」の方が適当かも。
 田んぼのトンボの話はおもしろい。田んぼの一年のスケジュールに合わせられるトンボが、水田で繁栄していることがよくわかる。田んぼ生活にぴったり生活史であるカトリヤンマが減っている理由は確かに不思議。

 お薦め度:★★  対象:田んぼの生物多様性の維持に関心のある人

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