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本の紹介「大気の進化46億年」

「大気の進化46億年 O2とCO2」田近英一著、技術評論社、2011年8月、ISBN978-4-7741-4784-0、1580円+税


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【西村寿雄 20121025】【公開用】
●「大気の進化46億年」田近英一著、技術評論社

 地球上にある酸素と二酸化炭素について、地球誕生から現代までの変化をくわしく説いている。まだまだ研究途上の話も出されていて、その研究の複雑さが読み取れる。いうまでもなく、地球上の生き物は、酸素と二酸化炭素の量によって大きく支配されてきた。最初は、「酸素と二酸化炭素、その起源」「二酸化炭素からみた気候変動史」「酸素からみた生命進化史」と続く。シアノバクテリアが酸素を造ってきたという従来の考えに疑問が出てきたとか、まだまだ酸素発生のメカニズムは研究の余地があるようだ。その酸素濃度も過去には大きく変化していたらしい。後半の「酸素と二酸化炭素の変動史」「地球の運命と第2の地球」も興味深い。酸素と二酸化炭素に関するさまざまな研究成果が披露されている。

 お薦め度:★★★  対象:地球の進化に興味ある人

【中条武司 20121221】
●「大気の進化46億年」田近英一著、技術評論社

 酸素がなければ私たち生物は生きていくことができない。しかし、酸素が“普通”にある惑星は非常にまれで、地球はそのまれな星のひとつであるという。また二酸化炭素は地球温暖化の元凶だとされるが、それがなければ地球は極寒の星になり全球が凍り付いてしまうという。
 酸素と二酸化炭素という地球を特徴付ける大気の成分をテーマに、創世から未来までの地球の歴史を探っていく。地球は酸素と二酸化炭素の微妙なバランスの上で成り立っていることがわかるし、それは大気だけの問題ではなく、生物も、岩石も、陸も海も関わっていることがよく説明されている。
 ただ、前半部の流れがちょっともたついている印象。これは編集サイドが少し文章を整理するだけでかなり読みやすくなるのではないかと、ちょっと編集よりの感想を持った。

 お薦め度:★★★  対象:地球の歴史を違った側面から見たい人

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