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本の紹介「台風のついせき竜巻のついきゅう」

「台風のついせき竜巻のついきゅう」かこさとし著、小峰書店、2001年7月、ISBN978-4-338-16107-7、1300円+税


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【森住奈穂 20140217】【公開用】
●「台風のついせき竜巻のついきゅう」かこさとし著、小峰書店

 今日(2月14日)、大阪は雪が降っています。見慣れない光景に少しワクワクしながら空を見上げ、夏の台風のことを考えるのはヘンな気分です。けれど一年中暑い熱帯の海では、いつでも台風ができるそうです。熱帯の海で生まれた台風が日本までやってくるためには、太陽によって暖められた水と空気が必要です。太陽の熱、水、空気、この3つが組み合わさって台風や竜巻が起こります。台風の断面図や竜巻のでき方など、かこさんのイラストは楽しくてわかりやすい。世界地図もたくさん登場します。水も風も、地球をめぐっているんだなと実感できますよ。

 お薦め度:★★★★  対象:大きいひろい目と、細かくくわしく調べる努力で地球を見つめたいひと

【中条武司 20140223】
●「台風のついせき竜巻のついきゅう」かこさとし著、小峰書店

 この絵本をどう評したらいいかとても悩んでしまう。絵本という体裁だから、(大人も読むにせよ)対象は小学生とかなのだろう。小学生にこの内容がわかる? 中途半端に難しくて説明が足りていない。例えが例えになっていない(台風が掃除機の例えはまったくピンとこないのでは)。一方で、台風の強さや台風や竜巻が世界のどんな場所で発生しているか、竜巻通過の際の気圧変化など、大人が読んでもへえと思うようなことも書かれている。絵本で台風や竜巻を説明するなら、違った切り口があったのではと思わせる。

 お薦め度:★★  対象:台風のニュースを見ながら大人が横目で読む本

【村山涼二 20140213】
●「台風のついせき竜巻のついきゅう」かこさとし著、小峰書店

 台風はどうしてできるのか? 南の海で、太陽により海の表面が暖められ、水が水蒸気となり、暖まった空気と共に空へ上がる。空の上は温度が低いので水蒸気は雲となり、水蒸気が水になるとき持っていた熱(蒸発潜熱)がまわりの空気を暖め、雲は上昇を繰り返す。この雲が集まり、地球の自転により雲は渦巻きの強さを増し、台風が生まれる。台風の仲間にハリケーンやサイクロンがある。やかんの湯気や掃除機にたとえ判りやすく説明している。
 過去の被害の実例を示している。台風の持つエネルギーは、マグニチュード8の地震や水素爆弾100発に相当志、台風をつぶしたり防ぐことは出来ない。台風は被害だけでなく沢山の雨を各地に落とし、飲み水、用水、植物を育て、電気を起こし役立っている。台風と竜巻の違いを大きさ(直径・高さ)強さ(動く早さ・風の早さ)被害の範囲(巾・距離)寿命などを比較してい。竜巻は小さいが強烈である。被害の実例(列車が40メートルも飛ぶなど)を列挙している。世界での竜巻の発生数をあげ(アメリカが特に多い)アメリカの小学生向けの副読本の注意事項も示している。台風も竜巻も警報などに注意して行動し被害を少なくすることが必要と述べている。

 お薦め度:★★★★  対象:自然災害に備える子供たち

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