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本の紹介「スズメ」

「スズメ つかず・はなれず・二千年」三上修著、岩波科学ライブラリー、2013年10月、ISBN978-4-00-029613-7、1500円+税


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【和田岳 20130219】【公開用】
●「スズメ」三上修著、岩波科学ライブラリー

 すずめ博士のスズメの本。かなり子ども向けな感じの前作「スズメの謎」と比べると、大人向け。イラストは、『鳥ぱん』のとりのなん子さん。歴史・文学から、進化、行動まで。スズメを一通り紹介。もちろん、日本のスズメの個体数、減ってるかどうか、電柱での営巣という持ちネタも出てくる。歴史・文学・文化の話題がかなり混ぜ込まれていたのが意外。

 お薦め度:★★★  対象:スズメについて気になったら

【北風伸也 20140203】
●「スズメ」三上修著、岩波科学ライブラリー

 スズメに対する愛に満ち満ちた本でした。
 おそらく日本人にとって最も身近な鳥であろうスズメですが、身近な割にはあまり生態が知られていなかったのも事実。特に雛の生態や、(けっこうなんでも食べるイメージがあったものの)食生活など、非常にわかりやすく解説してくれているだけに目からウロコが落ちました。
 それもさることながら本書で一番感じたのは、著者の並々ならぬスズメに対する「愛」です。「好きだから書く!」といった気持ちがヒシヒシと伝わってきて、それはそれですばらしいんですが、少し面白おかしく伝えようとする余りか、著者の余談が多いようにも感じられました。ここは意見の分かれるところかと思います。
 しかしながら、著者が最後に書いていた「好きな言葉」の「鴻鵠安んぞ燕雀の志を知らんや」には不覚にも笑ってしまいましたが…。

 お薦め度:★★★  対象:伏見稲荷でスズメの焼き鳥が売られていることに憤りを禁じえない方

【冨永則子 20131204】
●「スズメ」三上修著、岩波科学ライブラリー

 日本の都会といわれる街中で出会える最も身近な野生生物といえば、スズメ!! 本来、野生生物は人を警戒し、人間の暮らしには近づかないものなのに、なぜスズメは、こんなにも人の暮らしに近いのか? 日本人にとって、当たり前に存在するスズメをもっとも“変な鳥”として、その本性が暴かれていく。
 カラー写真や図表も多く、イラストを『とりぱん』の作者とりのなんこさんに担当させるなんてところには、専門書にありがちな堅苦しさはありませんよ〜という小賢しいセールスアピールを感じるが、内容は恐竜の進化論から始まり、古事記や万葉集など日本史・文化史にまでおよんで、面白く読めた。

 お薦め度:★★★  対象:スズメが可愛いと思う鳥好きに、都会の生き物に興味がある人に

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