友の会読書サークルBooks
本の紹介「空を飛ぶサル? ヒヨケザル」
「空を飛ぶサル? ヒヨケザル」片山竜峯著、八坂書房、2008年8月、ISBN978-4-89694-916-2、2000円+税
【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@mus-nh.city.osaka.jp)までご連絡下さい。
[トップページ][本の紹介][会合の記録]
【和田岳 20081226】【公開用】
●「空を飛ぶサル? ヒヨケザル」片山竜峯著、八坂書房
多少哺乳類に関心のある人なら、ヒヨケザルという名前を聞いたことはあるかもしれない。でも、写真を見て、ヒヨケザルが見分けられる人は少ないだろう。それほど、あまり紹介されることのない哺乳類である。そしてこの本が日本語でヒヨケザルのことが紹介されている唯一の本。
前半は、ヒヨケザルの写真絵本。ここで、ヒヨケザルの姿を堪能しよう。後半では、ヒヨケザルの分類、飛行の謎、暮らしが、それぞれの研究者によって紹介される。空飛ぶナマケモノ、ヒヨケザルについて知りたいならお奨めの一冊。
お薦め度:★★★★ 対象:ヒヨケザルって聞いたことあるけど…、という人
【萩野哲 20081223】
●「空を飛ぶサル? ヒヨケザル」片山竜峯著、八坂書房
ヒヨケザルとは、たったの2種で皮翼目を形成している、哺乳類の中でも大変マイナーな群であり、前足〜後足〜尻尾の間に皮膜を持ち、滑空することができるが、本種についての情報は極めて少ない。著者はこのような謎の多いヒヨケザルに興味を持ち、ボルネオ島のバコー国立公園に赴いた。さすが映像作家であり、豊富な滑空写真を撮っているが、木にとまっている写真も、ヒヨケザルの発見しにくさをよく現しており、すばらしい。また、本書の半分を分類、飛行および生態の専門家の解説に割いており、本書の価値を高めている。ヒヨケザル単独で日本語で書かれた一般書になったのは恐らく本書が最初であり、それだけでもうれしくなってくる。
お薦め度:★★★ 対象:変な動物に関心がある人
[トップページ][本の紹介][会合の記録]