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本の紹介「日本恐竜探検隊」

「日本恐竜探検隊」真鍋真・小林快次編著、岩波ジュニア新書、2004年11月、ISBN4-00-500485-7、780円+税


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【魚住敏治 20050419】【公開用】
●「日本恐竜探検隊」真鍋真・小林快次編著、岩波ジュニア新書

 第一章で恐竜の一通りの分類と日本の恐竜化石の産地の解説後、次章から章ごとに研究者が自分の研究対象の恐竜についてそれぞれの思い入れをこめて述べていき、最後に現在行われている研究と方法について言及するという構成になっています。
 恐竜についての系統的な概説書ではありませんが、恐竜化石が発見され、分類され、世の中に認められるようになるためには、大変な労力が必要なのだと感じさせてくれます。まさにその意味では恐竜探検書なのかもしれません。

 お薦め度:★★  対象:少しでも恐竜に関心のある方

【中条武司 20050413】【公開用】
●「日本恐竜探検隊」真鍋真・小林快次編著、岩波ジュニア新書

 日本各地からたくさん恐竜化石が見つかり、そしてその化石を使って日本の研究者が世界最先端の研究をしている。10年前では考えられなかった状況が、日本の恐竜を取りまいて起こっている。でも、日本でよく見つかるようになったといっても、やはり見つかる化石は体の一部や歯の化石など小さいものばかり。そこからどう考え、どのような手法を用い、どんな結論を導き出すか、恐竜のみならず古生物学や地質学の全般に通じる研究の過程を紹介している。
 しかし、文章も内容もとても難しくてジュニア新書というより完全に大人向き。恐竜の復元図はおろか全身を組み立てた骨格図も少なく、恐竜の名前や分類、体のつくりなどが一通りわかってなければ、理解するのに一苦労。

 お薦め度:★★  対象:恐竜好きの人に

【六車恭子 20050420】
●「日本恐竜探検隊」真鍋真・小林快次編著、岩波ジュニア新書

 世はまさに恐竜ブーム、恐竜展の集客率は他を圧する。商業ベースで展開される古代への夢をこの書に求めようとした上っ面の恐竜ファンは脱落するだろう。ここ数年の日本の恐竜研究の最前線の現場からの報告で全編が編まれている。
 小さな断片化石を見のがさない学究の目とその層凖から何を探せばいいかを推論する見識を持ったアマチュア−たちとの連係で日本の恐竜たちの記録は日々更新し続ける。2003年友の会の夏合宿「有峰湖」の折、地名を伏せられたまま見学した富山県大山町の恐竜足跡化石の研究の成果もすでに報告済みらしい。この書を楽しくわくわく読みおおせたあなたは未来の恐竜研究者の素質は十分!と思って間違いなさそうだ。

 お薦め度:★★  対象:発掘に興味のある人

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