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本の紹介「ミミズのいる地球」

「ミミズのいる地球 大陸移動の生き証人」中村方子著、中公新書、1996年4月、ISBN4-12-101298-4、660円+税


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【西村寿雄 20051215】
●「ミミズのいる地球」中村方子著、中公新書

 タイトルにある「大陸移動の生き証人」にひかれて読み出した。ウェゲナーの大陸移動説確証の一つに取り上げられている。まずは、3000種もミミズが分けられているのに驚く。単純そうな体型なのに17もの科に分けられている。
 この本のおもしろいところはなんといっても第4章。女性の著者が世界の秘境もものともせずミミズ研究に奔走する迫力。科学研究のおもしろみが伝わってくる。すごいとしか言いようがない。

 お薦め度:★★★★  対象: 生物研究に興味のある高校生以上

【和田岳 20051026】
●「ミミズのいる地球」中村方子著、中公新書

 著者とミミズとの関わりを取り混ぜながら、とりとめなくミミズの話が続く。第1章「にわのミミズ」は、意味不明。第2章「動物学的にみたミミズ」は、ミミズの形態と採集法を簡単に紹介。この本で唯一少し役立つ章。第3章「ミミズの生態学」は、ミミズの生態学を紹介しているものの概論ですらなく、ミミズの摂食活動とその人への影響といった程度。第4章「ミミズを追って」は、世界各地へ著者がミミズ採集に行く話。著者は、ミミズを採集するけど、あまり同定できないらしい…。第5章「ミミズをあなどるなかれ」は、ようやく副題の大陸移動っぽい話がでるが、他人の研究を軽く紹介してるだけ。
 副題に「大陸移動の生き証人」とあるが、これに惹かれて読み出した人は、確実に期待を裏切られる。

 お薦め度:★  対象:死ぬほど時間が余っていて他に読む本がなければ

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