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本の紹介「昆虫は美味い!」

「昆虫は美味い!」内山昭一著、新潮新書、2019年1月、ISBN978-4-10-610798-6、760円+税

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【中条武司 20200219】【公開用】
●「昆虫は美味い!」内山昭一著、新潮新書

 「昆虫料理研究会」を主催し、日本各地で昆虫食のイベントも行う著者が、様々な昆虫を食べた記録を短い章ごとにまとめている。本のタイトル通り、昆虫は美味しいといろんなところに書かれているのだが、残念ながら文章からあまりおいしさが伝わってこない。昆虫の味の分析や各地の伝承などはへーと思うところはあったけど、昆虫を食べたことない人はこの本を読んで昆虫を食べようとは思わないのでは。

 お薦め度:★★  対象:日本で食べられる昆虫を知りたい人
【萩野哲 20200111】
●「昆虫は美味い!」内山昭一著、新潮新書

 第1部は各論、第2部はいわば「昆虫食の宣伝」だろう。昆虫の味をどう感じるかは、ある程度個人差があると思うので、各論中の各々の虫の味に関しては置くとして(何を食べているかで変わるようだし)、いくつかトリビア的な知識が得られたのは読んでよかった点である。例えば、孫太郎虫のなまえの由来:敵討ち成功おめでとう。バッタを食べると脚の棘で死ぬ可能性があること:エチオピア人の寿命に影響か?食べず嫌いは雑食動物の証だと:雑食といえども未経験の食物については慎重に選択しており、食物新奇性について恐怖と好奇心の間で葛藤している 。結局、食性は保守的ということではないのか、etc.、etc.。

 お薦め度:★★  対象:昆虫を食べることについて恐怖と好奇心の間で葛藤している人
【和田岳 20200220】
●「昆虫は美味い!」内山昭一著、新潮新書

 第1部では、昆虫を味わう、と称して、ひたすら昆虫の味の話が書かれた短いエッセイが26並ぶ。それなりに面白いけど、昆虫食文化の紹介ではなく、著者の主観が並んでるだけ。まあタイトル通りの内容なんだろう。
 第2部は、昆虫食文化、昆虫食の明日などについて、たいした根拠を示さず、著者の思い込みあふれた文章が続く。昔ながらの西洋人と日本人の比較とか、今だにこんなことを書く人がいることに驚いた。世界の昆虫食を短い言葉で一通り紹介しているのは、便利なような、これが全てなの?という疑問が湧くんだけど。

 お薦め度:★★  対象:いろんな虫の味をざっと知りたければ
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