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本の紹介「カタツムリの謎」

「カタツムリの謎」野島智司著、誠文堂新光社、2015年6月、ISBN978-4-416-11528-2、1500円+税


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【森住奈穂 20151225】【公開用】
●「カタツムリの謎」野島智司著、誠文堂新光社

 カタツムリの周辺世界は狭い。のろのろとしか動けないのだからしょうがない。と思っていたら、鳥に食べられて運ばれて、死なずに移動(糞となって出る)できるものもいるらしい。とくに不思議だなぁと感じたのは歩き方。トゲの上や浅い水たまりは問題なし! 筋肉と粘液を使って前進しているようだけど、点状の足跡が残る謎の歩き方がある! ほかにも、天敵のヘビに襲われたらトカゲのようにしっぽを切る(再生できる)ものや、花の受粉を手伝うもの、カタツムリの殻だけに巣をつくるハチなど、たくさんの生きものたちとの関係が紹介されていて楽しい。カタツムリが命のつながりの一端を担っている姿が浮かび上がってくる。

 お薦め度:★★★  対象:カタツムリのことを見くびったことのあるひと
【西本由佳 20151220】
●「カタツムリの謎」野島智司著、誠文堂新光社

 カタツムリは移動能力に乏しい。カタツムリがもつ、えり好みせずさまざまなものを食べる、雌雄同体という特徴は、どちらも、食べ物や相手を探すエネルギーの節約という点から説明できるそうだ。しかし、歩みは遅いが、体のお腹側を使って進むという特徴は、さまざまな場所に対応できる。地面だけでなく、木を登ったり、枝の裏側にさかさまにくっついたり、細いつるを伝ったり。速くはないが、動き回れる場所は意外と多様なようだ。カタツムリのいろいろな特徴と、それに由来する行動、生活環境やかかわりのある生物など、カタツムリについてふしぎに思うことが、ひととおり解説されている。

 お薦め度:★★★  対象:カタツムリがかわいいと思う人
【和田岳 20151225】
●「カタツムリの謎」野島智司著、誠文堂新光社

 カタツムリはどんな生き物? カタツムリのおもしろ生態、周辺生物やヒトとの関わり、カタツムリに会いに行こう! 地理的変異、分類、形態、日周・年周活動、食性、繁殖、捕食者、食用などなど、カタツムリに関するいろいろが次々と紹介される。
 鳥が産卵する際、卵殻をつくるためにカルシウムが必要となる。そのカルシウム源としてカタツムリが重要だと書いてある。本当なんだろうか?

 お薦め度:★★  対象:カタツムリに興味があるけど、ほとんど知らない人
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