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本の紹介「カビの常識人間の非常識」

「カビの常識人間の非常識」井上真由美著、平凡新書、2002年8月、ISBN4-582-85149-5、680円+税


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【寺島久雄 20030607】【公開用】
●「カビの常識人間の非常識」井上真由美著、平凡新書

 カビや微生物と共生する事で健康に生きることをすすめる本である。
 「泥んこ遊びは健康のもと」「日本はカビの王国」「微生物は自然界のパイオニア」「動植物・人類は無数の微生物に守られている」等々常識を覆す文章に出会ふ。清潔志向の現代の日本人の生活は、自然を忘れ自然に背く暮らしをしている。カビや微生物がむしろ人間の健康生活を支えていると著者は提言している。
 又日本のマンション、食品工場、病院が微生物に対する非衛生さにあきれている。
 
 お薦め度:★★★  対象:健康生活指向の人に


【金井一史 20030509】【HPのみ公開用】
●「カビの常識人間の非常識」井上真由美著、平凡新書

 普通に信じられている常識はひどく信用出来ない物のようです。その一例としてプラスチックやアルミにカビが生え、朽ち落ちるのだそうです。
 この本では、どれ程微生物の共生が大切であるかを豊富な事例で書いています。例えば、普通はカビなど付かないと考えている物にカビが付く理由や、世界中の人間がカビに対してどれだけ無知であり無防備であるか。そんなことが楽しげな筆致でわかりやすく書かれています。全体のイメージとしては日常に対するカビへの行動と応用という感じでしょうか。カビ取りスプレーの恐ろしさや水虫対策法など様々な事が書かれています。ただ、良くできた雑学書であり、「ああ、面白かった」以上の印象は受けませんでした。
 
 お薦め度:★★★  対象:カビを見たことがある人

【田中久美子 20030625】
●「カビの常識人間の非常識」井上真由美著、平凡新書

 ジメジメ、カビの季節ともなると、うんざりする人も多いだろう。しかし、カビもやっかい者なだけではない。日本人には微生物を食文化に取り入れてきた歴史がある。
 この本に書かれているカビの話は、一般で常識と思われてきたカビとはずいぶん違っている。いままで安易に、カビを排除しようとしてやってきたことは、実はまちがいだらけだったのだと思い知らされる。そして、本当にカビの常識を知って対処していけば、日常生活はもっと快適にできるだろうし、もっと環境にも、やさしくなれる。カビのことをもっと知ろう!
 
 お薦め度:★★★★  対象:一般、とにかく毛嫌いせずに読んでみて!

【村山涼二 20030622】【HPのみ公開用】
●「カビの常識人間の非常識」井上真由美著、平凡新書

 著者は、アルミニウムのカビによる腐食を明らかにした先駆者である。
 先端産業において、シリコンウエハーやフロッピーディスクもカビの被害を受ける。生活関連では、食品、食品包装、洗濯機、風呂場、住宅、水虫などカビの被害を受ける。
 一方、日本の伝統食品、酒、みそ、醤油はカビで作られ、微生物まで広げると、ビール、ワイン、納豆など我々の生活を豊かにしている。環境を汚染する化学物質の分解にも、カビの働きが期待されている。
 青カビの作るペニシリンは多くの人命を救ったが、抗生物質や殺菌剤に対する耐性菌の出現は、安易な使用を戒め、上手なつきあいを勧めている。
 カビの目線で暮らしを眺め、「結露の防止と通風」が有効で、日本の木造住宅の良さ、自然な暮らしを勧めている。

 お薦め度:★★  対象:広く一般に


【和田岳 20030627】【HPのみ公開用】
●「カビの常識人間の非常識」井上真由美著、平凡新書

 近頃の抗菌ブームの中でひたすら目の敵にされがちなカビだが、長い歴史を通じていかにカビと人が共存し、カビが人の役に立ってきたかを紹介する本。
 しかし、アルミニウムやプラスチックにまでカビが生えるだとか。カビ取りスプレーや抗菌グッズも役に立たないとか。一流食品メーカーの工場もカビだらけとか、清潔好きの多くの人にとっては、カビの脅威をいっそう強く感じるだけに終わるかもしれない。
 カビ取りスプレーなど、カビを殺す薬剤は、悪いカビだけでなく、害のないカビまで殺してしまう。しかし一度はカビがいなくなったように見えても、その後かえって悪いカビがはびこり、それをなんとかするためには、薬剤を使い続けるしかない。この指摘は、カビとのつきあい方を考える上でとても重要だろう。

 お薦め度:★★★  対象:カビにそんなに神経質じゃない人


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