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本の紹介「きのこの教科書」

「きのこの教科書 観察と種同定の入門」佐久間大輔著、山と渓谷社、2019年10月、ISBN978-4-635-58041-0、2200円+税

【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@mus-nh.city.osaka.jp)までご連絡下さい。
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【犬伏エルリッヒ麻美子 20200221】【公開用】
●「きのこの教科書」佐久間大輔著、山と渓谷社

 スーパーで売られている身近なきのこの観察から、野外で見かける野生きのこ、顕微鏡での胞子などの観察までをわかりやすく教えてくれます。また、図鑑の使い方も説明してくれて、難しいきのこの識別もよくわかります。アマチュア研究のために、記録を残す・標本を残すこととの価値、大切さも教えてくれます。野外で採取したきのこを自宅に持ち帰って標本にする方法も色々とあり、それぞれ丁寧に教えてくれます。きのこ好きの小学生の息子と読んでいると、今は難しいですが、これから時間をかけて少しずつ理解できたらなと思っています。きのこの世界は奥深いです。なぞが多いのも魅力的です。ぜひ、みなさんこの本を手に取って見てください。

 お薦め度:★★★★  対象:きのこに少しでも興味を持った人たちへ。きのこが好きだけど、どうやって学びはじめればいいのかわからない人たちへ
【ケンタロウ 20200128】
●「きのこの教科書」佐久間大輔著、山と渓谷社

 この本は、まずスーパーで売られている身近なきのこをじっくり観察して、とくちょうを知ることから始まります。そして、次に野生のきのこを探して観察する仕方もわかりやすく書かれています。「きのことはなにか」も教えてくれます。つぎに野生のきのこの「ひだ」「かさ」「え」のきのこがわかるとくちょうが細かく書かれていて、それからきのこの属ごとのとくちょうが書かれているので、この本を見ればだいたいそのきのこの属まではわかります。
 けんびきょうでのきのこの観察のしかたや標本の仕方がのっているので、きのこが好きな人はもちろん興味を持ち始めた人もおもしろいはずです。小学生では、ちょっとむずかしいですが、一家に一冊あってもいい本なので、いつでもだれでも気軽に読んでもらいたいです。ぜひ、読んでください。

 お薦め度:★★★★  対象:きのこに興味を持ちはじめた人やもっときのこのことを知りたい人たちへ
【西本由佳 20191218】
●「きのこの教科書」佐久間大輔著、山と渓谷社

 きのこを山で見かけると、とりあえず写真は撮るけれど、種の同定まで行くことはまずない。きのこは形の似たものが多いし、見たきのこの姿が図鑑に載っているとは限らない。成長の度合いによって別人のように姿が変わるそうだ。本書は、きのこの野外での観察の仕方、記録の録り方、見分けのヒントとなる特徴、図鑑の引き方、顕微鏡での扱い方、標本の作り方、文献の調べ方など、きのこの入門からきのこの研究への貢献まで、きのことの向き合い方を詳細に解説してくれる。ときおりはさまれるきのこの研究の偉人の業績も興味深く読める。よく見かけるきのこの写真と絵も図鑑としてはさまれていて、とりあえずきのこの形に親しめるようになっている。

 お薦め度:★★★  対象:野外で見つけるきのこに少し踏み込んでみたくなったら
【萩野哲 20191204】
●「きのこの教科書」佐久間大輔著、山と渓谷社

 図鑑の多い割に種の同定にたどり着けないキノコについて、基礎からキノコを調べる手法とその意義がまとめられている画期的な書籍!基本的に第49回特別展の解説書と同様の内容だが、カラー図版が増えた分、すごく分かりやすくなった(より読んでみる気になる?)。どのような機材や書籍が必要なのか、相当踏み込んだ内容が記されているので、キノコを調べるつもりがない人には無意味かというと、そうではない。何も、ダンジョンはキノコに限ったことではなく、あらゆる生物群に存在すると思われるので、この本の内容を、それぞれの生物群に置き換えれば、応用可能であろう。

 お薦め度:★★★  対象:キノコに限らず、なにか生物群をきちんと調べたい人
【和田岳 20191218】
●「きのこの教科書」佐久間大輔著、山と渓谷社

 副題にある通り、きのこ観察のための入門書。キノコの分類や生態についても書いてあるけど、むしろ図鑑の使い方、図鑑を使いこなすための観察のポイント(野外で、室内で、顕微鏡で)、それに絡んで顕微鏡や試薬の使い方や、カメラでの撮影の仕方。記録の残し方、記録のための絵の描き方。さらには論文の探し方から、博物館の活用術まで、とても盛りだくさん。いきなり図鑑を手にとっても判らないことを、説明してくれる本。  今度キノコを見つけたら、真面目に観察したり、記録してもいいかもと思ったし、そのキノコを縦に裂いてみようかとも思う。顕微鏡でも観察したい気もするけど、やっぱりちょっと面倒くさそうかなぁ。

 お薦め度:★★★  対象:キノコに興味はあるけど、もう一歩踏み込めてない人
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