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本の紹介「ジャガイモのきた道」

「ジャガイモのきた道」山本紀夫著、岩波新書、2008年5月、ISBN978-4-00-431134-8、740円+税


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【萩野哲 20080625】
●「ジャガイモのきた道」山本紀夫著、岩波新書

 著者は先ず、「穀物農耕が文明を生んだ」との定説に異議を唱え、アンデス文明はジャガイモが生んだとの説を本書で展開する。それによると、アンデス高地のインディオはインカ時代から現代まで、その気候や地勢に合った、収量増大よりも安定生産を重視した合理的なジャガイモ生産を行っている。次に著者は、インカを征服したピサロ以降のジャガイモの世界的普及に言及し、ヨーロッパでも日本でも、その道は必ずしも平坦でなかったことを説明する。最後に著者はジャガイモの高生産性に触れ、今後の食糧危機に直面する世界に対するジャガイモの潜在性を説き、日本の食糧自給率の低さにも警鐘を鳴らす。文化人類学の観点からジャガイモについて要領よくまとめられている。
 もう1冊の課題図書、「ジャガイモの世界史 歴史を動かした「貧者のパン」」に載せられているチューニョについても納得のいく説明が書かれている。

 お薦め度:★★★★  対象:食べ物のルーツに興味を持つ人

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