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本の紹介「フライドチキンの恐竜学」

「フライドチキンの恐竜学 食卓の骨には進化のナゾがつまっている」盛口満著、ソフトバンククリエイティブ、2008年6月、ISBN978-4-7973-4694-7 、953円+税


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【高田みちよ 20081022】【公開用】
●「フライドチキンの恐竜学」盛口満著、ソフトバンククリエイティブ

 とにかく絵がかわいい。さすがは団長。漫画チックだけどよくわかる。絵がなくて文章のみだったら、なんのことを言っていることがわからないところがいっぱいありそう。内容はタイトルをかすってはいるものの、フライドチキンから鳥の体を知ることがメインで、恐竜は導入にすぎない。普通のチキンやアヒルからダチョウやペンギンやヒクイドリまで話が進むので、いろいろな鳥の比較が分かって面白い。
 読み終わったらフライドチキンを食べてみたくなるに違いない。もしかしたら○ンタッキーから広告料が取れるんじゃないか。

 お薦め度:★★★  対象:鳥屋、骨屋

【和田岳 20081030】【公開用】
●「フライドチキンの恐竜学」盛口満著、ソフトバンククリエイティブ

 食卓のフライドチキンの骨から話をはじめて、恐竜の骨に話をもっていくのかなと思うかもしれないが、さにあらず。大雑把に言えば、前半は鳥の骨の話、後半は鳥の分類の話。最近のシブリーの分類が紹介されている一般書は珍しい。全体的には、鳥の骨つながりではあるけど、それ以外に一環したストーリーはなく、とっちらかった印象が強い。後半はフライドチキンも恐竜もどこかへ行ってしまう。
 とまあ、ゲッチョの文章はいまいちだが、ほぼすべてのページで、見開きの左にゲッチョの文章、右に可愛い絵が並んでいる。絵を描いたのは、なにわホネホネ団団長の西澤真樹子氏。この本を買う人の多くはイラストを気に入って買うだろう。読んだ後に残るのも、文章ではなく可愛いイラストの方。貢献度から考えたら、なぜゲッチョの単著なのか疑問である。

 お薦め度:★★  対象:絵を見て気に入った人

【加納康嗣 20081028】
●「フライドチキンの恐竜学」盛口満著、ソフトバンククリエイティブ

 最も身近なフライドチキンの骨から恐竜への探索を始める。トリケラトプスを手に入れるのにやせた財布では無理であるが、恐竜の子孫であるトリなら、まさに身近な「貧者の恐竜」である。チキンやダチョウ、フラミンゴなどを通じて「れきしとくらし」をキーポイントとして、指の数や脚、水に浮く骨、耳や目玉の骨、翼などの進化の謎を探っていく。読みやすく、わかりやすい。イラストや装丁が良く、久しぶりに一気に読み終えてしまった。

 お薦め度:★★★★  対象:身近な進化の話、骨の話、恐竜の話が好きな人

【中条武司 20081030】
●「フライドチキンの恐竜学」盛口満著、ソフトバンククリエイティブ

 最も身近なフライドチキンの骨から恐竜への探索を始める。トリケラトプスを手に入れるのにやせた財布では無理であるが、恐竜の子孫であるトリなら、まさに身近な「貧者の恐竜」である。チキンやダチョウ、フラミンゴなどを通じて「れきしとくらし」をキーポイントとして、指の数や脚、水に浮く骨、耳や目玉の骨、翼などの進化の謎を探っていく。読みやすく、わかりやすい。イラストや装丁が良く、久しぶりに一気に読み終えてしまった。

 お薦め度:★★  対象:骨が好きな人

【萩野哲 20081021】
●「フライドチキンの恐竜学」盛口満著、ソフトバンククリエイティブ

 表題からは、恐竜を知る手段としてその子孫である鳥類の骨からの類推をテーマにしているように見えるが、それを期待した読者はやや失望するかもしれない。やはりフライドチキンと恐竜とではにわかに比べることはできないのか? しかし、フライドチキンの各部の骨をニワトリ以外の鳥や、爬虫類、哺乳類との比較を見ていくと、同じ部分の骨でもその生態によりずいぶん異なった形態に変わっていった進化の妙が伝わってくる。盛口氏の著作の中では「骨」に属する本であり、随所に標本作りのノウハウが記されているが、鳥の骨が水に浮くとの記述に興味がわいた。恐るべし“気嚢”。

 お薦め度:★★★★  対象:ズバリ!! ほねほね団

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