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本の紹介「ダンゴムシの本」

「ダンゴムシの本 まるまる一冊だんごむしガイド〜探し方、飼い方、生態まで」奥山風太郎・みのじ著、DU BOOKS、2013年8月、ISBN978-4-925064-84-2、1800円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
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【森住奈穂 20131021】【公開用】
●「ダンゴムシの本」奥山風太郎・みのじ著、DU BOOKS

 珍しくもなんともないダンゴムシ。実は外来種で一般的に人目に触れるようになったのは昭和になってからなのだとか。無害故か特に研究も進んでおらず、分類も途上。知っているようで知らなかったんだと気づかされるダンゴムシの本。ダンゴムシ一族親戚以外の丸まる仲間も大集合。いろいろな種の飼育記や脚力の視覚化も楽しい。装丁や構成が可愛らしいので手に取りやすいが、写真のグロテスクさが勝り、衆人の前では開きにくい。が、なぜが手元に置きたくなる。ダンゴムシの親近感のなせる業か。

 お薦め度:★★★  対象:丸まるものに目がないひと

【釋智恵子 20131024】
●「ダンゴムシの本」奥山風太郎・みのじ著、DU BOOKS

 いつも見ているオカダンゴムシはもちろん、マダガスカルに暮らすとげとげいっぱいの珍妙なダンゴムシ、そして、まるくなるという共通点のあるダンゴムシ以外の生き物まで、横向き・正面向きにポーズを決めている。原寸サイズで乗せたり、動くスピードをオカダンゴムシのスピードを基準にしたodという単位で表現したり、散らし柄としてダンゴムシの写真を使ってみたり、遊び心とわかりやすさがうまく同居し、見て読んで楽しい。「飼ってみて」という各種の解説では、「とにかく陰気で土のなかでまるまっているだけ。〜かなり物足りない。」など、さまざまな種類を飼って比べたからこそわかる正直な感想が語られている。
 子ども向きのダンゴムシの本はたくさん出ているけれど、ちょっと専門的ではある上に、親しみやすい大人も楽しめる本に出会ったのは初めて。さあ、おきに入りのダンゴムシを見つけてみよう。

 お薦め度:★★★★  対象:身近な生き物の知らない一面を知りたい人に

【西村寿雄 20130918】
●「ダンゴムシの本」奥山風太郎・みのじ著、DU BOOKS

 「子どもも大人も楽しめるダンゴムシづくしの本!」とカバーにあるが、まさにダンゴムシづくしの本である。ページを繰ると、いろんな色や形のダンゴムシが飛び込んでくる。ダンゴムシは、小さくても、甲殻類としての機能は立派なもの。水を飲むときは腹部を水につけて飲むとか。危険を感じると防護のためにすぐに丸くなったり、母親のお腹の下に作られた「保育嚢」で卵をふ化させるという特異な機能も身につけているダンゴムシ、小さくても繁殖力はすごい。
 大半のページはさまざまなダンゴムシでうめられている。ダンゴムシ図鑑である。それにしてもこんなにもダンゴムシの種類があるのかと驚かされる。とはいえ大半は沖縄とか八重山諸島。最後にダンゴムシの飼い方も書かれている。粋な飼育ビンで楽しめそう。写真はいいが文字が小さいのが難点。

 お薦め度:★★★  対象:ダンゴムシ好きな大人

【萩野哲 20131010】
●「ダンゴムシの本」奥山風太郎・みのじ著、DU BOOKS

 身近にいて、丸くなる性質を持つダンゴムシは誰でも知っているが、実は分類学的にはまだ整理ができていない発展途上の群であるらしい。本書は日本各地から著者が集めて飼育しているいろんな種類のダンゴムシや、近縁だが丸くならないワラジムシやその他の仲間とともに、縁は遠いが丸くなるいろんな動物をも紹介している。各種の説明では写真はもちろん、生息場所、密度、丸まりやすさに加え、すばしっこさまでが示されている。採集法や飼育法も書かれているので、関心がある人は、ぜひトライしてみてはいかがかな?

 お薦め度:★★★  対象:ダンゴムシに少しでも関心があり可愛いと思う人

【和田岳 20131019】
●「ダンゴムシの本」奥山風太郎・みのじ著、DU BOOKS

 街にはオカダンゴムシ、砂浜にはハマダンゴムシ、山の林にコシビロダンゴムシ。みんな大好きダンゴムシをいっぱい集めた本。
 最初はダンゴムシの紹介。最後は、ダンゴムシの飼い方、採り方・探し方、そしてグッズ紹介。それにはさまれての「ダンゴムシと仲間たち図鑑」がこの本の中心。
 オカダンゴムシ、ハナダカダンゴムシ、コシビロダンゴムシ類、ハマダンゴムシ。ここまではダンゴムシの本らしいのだが、ここから脱線しまくる。ワラジムシ類、フナムシ類、コツブムシ、ヘラムシ、ミズムシ、グソクムシ類、ウオノエ。もう丸まらなくてもいいらしい。どんどんダンゴムシっぽい形からも離れていく。そして、タマヤスデ、イレコダニ、マンマルコガネ、ヒメマルゴキブリ、ハリネズミ、アルマジロ、センザンコウ、ハリモグラ。今度は丸まれば何でもいいらしい。
 野外でよく見かける大きなオカダンゴムシは3年も生きてるらしい。そしてダンゴムシは長生きするほど大きくなるらしい。めーっちゃ長生きさせて、ゴルフボールくらいのダンゴムシを育ててみたいかも。

 お薦め度:★★★★  対象:ダンゴムシが何となく気になれば

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