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本の紹介「DNAから見た日本人」

「DNAから見た日本人」斎藤成也著、ちくま新書、2005年3月、ISBN4-480-06225-4、700円+税


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【中条武司 20050628】【公開用】
●「DNAから見た日本人」斎藤成也著、ちくま新書

 タイトル通り、DNA研究から見た日本人の起源や将来、それに加え形態研究の問題点や利点、それに加え、DNA研究による人類進化に似ているともいえる名前や言語の変化や分散の問題まで、人類の進化や分散を様々な視点から論じている。トータルで考えると著者の主張や意見もよくわかり、現在の人類進化と「日本列島人」がDNAレベルでどこからどこに向かうのかが理解できる。
 ただし、同じような図が何度も出てきて先の図とどこが違うのかなとか思ったり、
内容が理屈に走りすぎる嫌いがあり、読んでいてややげんなり。

 お薦め度:★★  対象:人類の起源を知りたい人、高校生以上

【和田岳 20050629】【公開用】
●「DNAから見た日本人」斎藤成也著、ちくま新書

 DNAとは何かから始まって、それに基づく人類の系統解析の結果を紹介する本。世界のさまざまな人種の類縁、そして日本人とその周辺民族の類縁関係についてが示される。後半では、名字の分布、骨格、言語などからも日本人の起源についての検討が行われる。
 人類の起源はアフリカなのか、日本人はどこから来たのか。自分たち自身の由来に関することだけに、古くから多くの議論がある。中には、科学とはかけはなれた偏見や希望に基づく議論すらある。けっこう微妙な問題も絡んでくる議論だが、著者は賢明にもDNAなどに基づく客観的な議論にとどめている。が、それだけにはっきりとした結論は出ない。
 血液型占いは正しいのか、知能は遺伝するのかについて、DNAの研究者らしいコメントがあってちょっとおもしろい。

 お薦め度:★★  対象:人種間や日本近在の民族間の類縁関係について知りたい人

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