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本の紹介「コーヒーの科学」

「コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか」旦部幸博著、講談社ブルーバックス、2016年2月、ISBN978-4-06-257956-8、1080円+税


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【萩野哲 20160823】【公開用】
●「コーヒーの科学」旦部幸博著、講談社ブルーバックス

 コーヒーのおいしさを科学的観点から掘り下げた1冊。著者は理系の科学者であるが、コーヒーサイト「百珈苑」を主宰しており、コーヒーに対して深い洞察を示している。新書版の限られた紙数の中で、コーヒーの構造、植物学的知識、歴史や健康面まで広く情報を開陳している。コーヒーの味についても、化学的成分のそれぞれについての分析など、今までの類書にあるようなソムリエ的表現にとどまらず、より具体的な説明を加えている。焙煎や抽出の項はものすごく詳細な記述で超具体的である。健康面についても、コーヒーの急性作用や長期影響に言及している点、今までの類書と一線を画していると思う。

 お薦め度:★★★★  対象:もちろんコーヒー好きの人
【森住奈穂 20160825】
●「コーヒーの科学」旦部幸博著、講談社ブルーバックス

 コーヒーを飲みたくなるのはいつですか?朝。疲れた時や気分転換したい時。フッと香りを嗅いだだけでも、何となくリラックスしたような気分になれる。コーヒーとは不思議な飲みものだ。
 本書は「コーヒーの科学」と謳うだけに、化学式が頻出。著者の本職は基礎医学の研究者で、大学院時代は薬用植物に含まれる有効成分を抽出して薬効を調べる研究が専門であったとのこと。さもありなん。料理は科学というけれど、コーヒーも立派な科学なのだ。植物としてのコーヒーや歴史、健康面なども網羅。コーヒーに関するさまざまな情報がエスプレッソみたいにぎゅっと濃縮されている。一言で語るなら、とにかく奥が深い!そして、ゲイシャを飲んでみたい!

 お薦め度:★★★  対象:コーヒー好き
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