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本の紹介「地球はなぜ「水の惑星」なのか」

「地球はなぜ「水の惑星」なのか 水の「起源・分布・循環」から読み解く地球史」唐戸俊一郎、講談社ブルーバックス、2017年3月、ISBN978-4-06-502008-1、1000円+税

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【中条武司 20191012】【公開用】
●「地球はなぜ「水の惑星」なのか」唐戸俊一郎、講談社ブルーバックス

 地球は水の星とよく言われる。それは地表の多くの面積を占める海から連想されることだが、地球の内部には海水の数十倍から100倍もの水があるという。その水はどこにあるかというと、ほとんどが岩石中に含まれると考えられている。そしてなぜ地球に多くの水が存在するのかを地球の水の起源と地球の成立から解き明かし、水が地球の歴史やプレートテクトニクスなど地球の特徴ともいうべき現象にどのように関わってきたかを紹介する。
 少し内容が難しい面に加え、話が行ったり来たりを繰り返しするのが難点です。

 お薦め度:★★  対象:地球といえば水の星と連想する人
【西村寿雄 20190825】
●「地球はなぜ「水の惑星」なのか」唐戸俊一郎、講談社ブルーバックス

 まず、初めに「海水の量は、質量にして地球全体の約0.023%にすぎません」と書かれている。そういえば、地球に水があることによって、花崗岩がうまれ、堆積岩がうまれ、固有の生物によって石が生まれ、なんと言っても地球にプレートテクトニクスを生み出しているとは、しばし聞く話である。含水鉱物のあることも知られてはいる。「そこで、多くの科学者は、地球の水はどこから来たのか、地球には海水のほかにどれだけの水があるのか、地球内部に水があるとすれば、どのように循環しているのか、という問題にいどんできました。」とある。壮大な「水」物語である。ここで「水」と言っても、通常の「水」ではなく、大方は、イオンになった「水」の話である。遷移層、核に大量の「水」があるという。まだまだ、わからないこともあるが、現在進行形の問題でもある。少々、難しい地球化学(地球惑星科学)の問題書である。

 お薦め度:★★★  対象:地球化学をめざす人
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