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本の紹介「ブッポウソウは忘れない」

「ブッポウソウは忘れない 翼の謎解きフィールドノート」鳥飼否宇著、ポプラ社、2016年7月、ISBN978-4-591-15097-9、1400円+税


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【西本由佳 20161023】【公開用】
●「ブッポウソウは忘れない」鳥飼否宇著、ポプラ社

 お話の舞台は地方大学の生態学の研究室。先生たちは実態に反してまともな人のわりに、学生たちは変な人がそろっている。主人公はそんななかでかなり平凡。一生懸命に思い悩んでいる彼の一人称で話が進んでいく。鳥の話がつねにたくさん出てくる。鳥の習性とか能力とかの話は、鳥好きの人には知らないことではないかもしれないけど、それがうまいことストーリーのなかに配置されて、意味をもってくるのが、鳥好きの人にはとくに楽しめると思う。

 お薦め度:★★★  対象:鳥の好きな人
【森住奈穂 20170224】
●「ブッポウソウは忘れない」鳥飼否宇著、ポプラ社

 帯に「草食系ミステリ!」とあり。たしかにさらっと読める。物語の軸は主人公である大学生の片思い中の先輩が、突然姿を消してしまう事件。とにかくやたら思い込みの激しい主人公が、個性豊かな周囲の人々を巻き込み巻き込まれつつ、得意の(?)妄想を展開、話が進んでゆく。せっかく鳥の研究室が舞台なのだから、もっと鳥を盛り込んでほしかったなぁ。

 お薦め度:★★  対象:草食系ミステリに興味のあるひと
【和田岳 20161028】
●「ブッポウソウは忘れない」鳥飼否宇著、ポプラ社

 鳥の研究室を舞台にした青春ミステリとでもいうのだろうか。事件が起こるといってもたいした事件は起こらない。むしろミステリとしてより、鳥類学の普及書として書かれたような気配が強い。
 ジュウイチのヒナが育ての親をだます方法、サンコウチョウの雄の二型、オオコノハズクの暗闇での探索能力、ヨウムの学習能力。といったトピックを紹介しつつ、大学の鳥の研究室の、あるいは大学院生の日常が紹介される。そして、主人公の恋の行方は?

 お薦め度:★★  対象:青春ミステリと鳥が好きな人
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