友の会読書サークルBooks

本の紹介「目に見えない微生物の世界」

「目に見えない微生物の世界 あらゆるところにたくさんいる!」エレーヌ・ラッジカク&ダミアン・ラヴェルダン著、河出書房新社、2018年5月、ISBN978-4-309-27932-9、2500円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。
[トップページ][本の紹介][会合の記録]

【上田梨紗 20181026】【公開用】
●「目に見えない微生物の世界」エレーヌ・ラッジカク&ダミアン・ラヴェルダン著、河出書房新社

 見てるとなんだか身体がかゆくなる。。。目次のそれぞれのページのタイトルがまず気になります。「海底のおそろしいパレード」、「苔の目ざめ!」など。実際にそのページをみたらピッタリな内容で、解説と絵を何度も見比べてしまいます(「ベッドのミクロジャングル」は恐怖でしかない)。個人的には、「用語集」p.26からが楽しい。著者がまえがきで言っているとおり、「気持ち悪いなんて言わずに、さあ、驚きの旅に出かけましょう!

 お薦め度:★★★★  対象:さみしがりな人、衛生観念が弱い人
【冨永則子 20181025】
●「目に見えない微生物の世界」エレーヌ・ラッジカク&ダミアン・ラヴェルダン著、河出書房新社

 私たちが暮らしているこの世界の生き物のほとんどは実はとっても小さい。いろんな環境下の微生物の世界をまずはルーペで、そして顕微鏡で拡大して覗いてみよう。見開きのページは折りたたみ式になっていて、どのページにも人間の肉眼ではなかなか見えない小さな小さな生き物がウジャウジャ! さあ、ドラえもんのミクロフラッシュでミクロサイズに変身して微生物の世界を探検しよう! 巻末には用語集や、ミクロの世界の探検に欠かせない顕微鏡の歴史も付記されている。つくづく、目に見えなくて良かったぁと思った。

 お薦め度:★★★  対象:動物園や植物園で普通に見られる生き物では物足りない人に
【森住奈穂 20181026】
●「目に見えない微生物の世界」エレーヌ・ラッジカク&ダミアン・ラヴェルダン著、河出書房新社

 顕微鏡を使わないと見えない小さな生きもの、微生物。海中や海底、ベッド、人間の皮膚、台所、森、沼など10場面が見開きいっぱいの大画面+折り込み頁で紹介される。頁を開いて、さらにたたんである頁を開くのが楽しい!著者はパリのアーチスト。モンスターのような外見に到底親近感を覚えられない微生物たちだけど、イラストだとキャラクター化されてなんとなく可愛い。さらに美しい色彩とダイナミックな画面構成が魅せる。見飽きない。ひとくちに微生物といっても、大きさも形もさまざま。目に見えないけれど私たちの身近にいて、食べたり食べられたりしながら暮らしている。そんな世界があるということを、ワクワクしながら感じられる。

 お薦め度:★★★★  対象:微生物たちの「暮らし」をのぞいてみたいひと
【和田岳 20181019】
●「目に見えない微生物の世界」エレーヌ・ラッジカク&ダミアン・ラヴェルダン著、河出書房新社

 ただでさえB4変形サイズの大型本。さらに拡げるとB4を縦に2枚つなげたサイズ。その見開き両側をいっぱい使って、小さな生きものの世界がドーンと描かれる。
 描かれる微生物の世界は、海洋プランクトン、砂浜の間隙、水深30mの海底、ベッドの繊維の中、人の皮膚、台所の床のすみ、森のリターの中、樹皮に付いたコケの中、沼の中、川の底。けっこう斬新。
 登場するのは、浮遊幼生、ヒゲエビやソコエビ、放散虫や有孔虫、ホコリダニやヤケヒョウヒダニ、ノミやツツガムシ、サトウダニやコナダニ、トビムシにササラダニ、クマムシ、ヒドラにミジンコ、水生昆虫の幼虫やミズダニなどなど。こうしてみると、どこにでもいるダニ類ってすごい。小さな生きものの世界が、とてもにぎやかで楽しい。

 お薦め度:★★★  対象:ダニが死ぬほどきらいな人以外
[トップページ][本の紹介][会合の記録]