友の会読書サークルBooks

本の紹介「<旭山動物園>革命」

「<旭山動物園>革命 夢を実現した復活プロジェクト」小菅正夫著、角川oneテーマ21、2006年2月、ISBN4-04-710037-4、724円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。

[トップページ][本の紹介][会合の記録]


【瀧端真理子 20060607】【公開用】
●「<旭山動物園>革命」小菅正夫著、角川oneテーマ21

 小菅園長自ら、旭山動物園にまつわるエピソードを語った手軽に読める本。この動物園に予備知識があるかないかで、本書の受け止め方はずいぶん変わるだろう。 この本の中で興味を引かれた箇所を上げるなら、一つは、小菅さんが井の頭自然文化園でカイツブリの展示を見ていたときに、立体展示のイメージが浮かんだ、というエピソード。「キレイだなと目を奪われた」体験が、新たな発想に結びつく。
 もう一つは、動物園どうしの交流。「私たちは、他の動物園の方が来られると、必ず一緒に食事をして、動物園のことをこれでもかあれでもかと聞き出し、参考にさせてもらっている」と。「独自の動物園観を持っている園長たちは皆、その動物園の生え抜きであった」という記述が光る。「動物園が持つ無限の可能性」という言葉が、ゾウのアサコの死の場面とともに印象深い。

 お薦め度:★★★  対象:旭山動物園のことをまだ知らない人

【西村寿雄 20060421】
●「<旭山動物園>革命」小菅正夫著、角川oneテーマ21

 他の「旭山もの」に比べて、館長小菅正夫さんの心の内がよく出ている。この動物園の成功のかぎは「動物の動物らしさ、人間(飼育担当者)の人間らしさ」を、とことん追求していった結果とのこと、言うは易し、行うは難し。廃園という危機をチャンスに生かし、飼育担当者の創意と工夫の動物園〈創造〉物語。「動物の側になって考える」とある。今の教育を考えさせられる。
 文も平易、仕事にたいする〈夢〉も共有できる。

 お薦め度:★★★  対象:高校生以上

[トップページ][本の紹介][会合の記録]