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本の紹介「9つの森とシファカたち」

9つの森とシファカたち マダガスカルのサルに会いにいく」島泰三文・菊谷詩子絵、福音館書店たくさんのふしぎ2019年10月号、713円+税

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【西本由佳 20191218】【公開用】
●「9つの森とシファカたち」島泰三文・菊谷詩子絵、福音館書店たくさんのふしぎ2019年10月号

 マダガスカルという日本より1.6倍ほど広い島には、100種ほどのキツネザルが住んでいるという。そのなかで、立ち上がって跳ぶものがシファカと呼ばれる。はじめに、そのマダガスカル島と、そのなかのどこの森にどんなシファカが住むかが示される。シファカたちは同じ森では暮らせないのだろうか。その後は、1種ずつシファカとその森、そこに住む他のキツネザルたちが紹介される。実際に森にわけいってシファカたちを観察するように描写される。絵は線がやさしく、かわいらしい。シファカや森の生きものたちに親しみが感じられた。

 お薦め度:★★★  対象:生きものが好きな人
【冨永則子 20191206】
●「9つの森とシファカたち」島泰三文・菊谷詩子絵、福音館書店たくさんのふしぎ2019年10月号

 アフリカの東隣り、インド洋に浮かぶマダガスカルには他の世界では見られない特別の生き物が棲んでいる。その代表が100種類以上もいるキツネザルで「レムール」とも呼ばれ、マダガスカルで独自に進化した特別なサルだ。その中でも立ち上がって跳ぶ特徴を持つサルを「シファカ」といい、9種の仲間がいる。それらのシファカたちは特定の森に生息し、そこに暮らす他のレムールや生き物を森ごとに紹介していく。「シファカたちの棲む森を案内しましょう」と始まるが、マダカスカルの地理的な説明がもう少し詳しくあればいいのになと思った。標高1,000メートルの高地とか、川に沿ったとか、文章だけでは想像しにくい。種の絶滅や保全活動まで広く紹介されていて、マダカスカルの生き物を知る入り口にはなるかと思う。ページの囲み枠のデザインもおしゃれで、内容理解の一助になっている。

 お薦め度:★★★  対象:マダガスカルって?と思ってる人に
【森住奈穂 20191219】
●「9つの森とシファカたち」島泰三文・菊谷詩子絵、福音館書店たくさんのふしぎ2019年10月号

 100種以上もいるマダガスカルのキツネザル。そのなかで立ちあがって跳ぶのが特徴というシファカは9種いるそうだ。シファカは一般的なサルのイメージとはかけ離れており、森のなかを飛び過ぎる影か妖精か、というものらしい。そんなシファカとキツネザルが、彼らが暮らす森の様子とともに美しい絵で紹介される。真っ白、真っ黒、黄金色と様々な毛色を持ち、高地、乾燥地帯、熱帯雨林、農村と暮らす場所も様々。なかでも人間が歩いて通れない石灰岩の針山と、その間を飛んで移動するデッケンシファカには、何だか神々しささえ感じる。シファカはもちろん、変化に富むマダガスカル森の景色が珍しい。遠い遠いマダガスカルに思いをはせることができる。

 お薦め度:★★★  対象:マダガスカルという特別な世界をのぞいてみたいひと
【和田岳 20191214】
●「9つの森とシファカたち」島泰三文・菊谷詩子絵、福音館書店たくさんのふしぎ2019年10月号

 マダガスカルには、9種のシファカが異所的に分布している。東の高地にダイアデムシファカ、南の乾燥地帯にベローシファカ、北東の熱帯雨林にシルキーシファカ、西の針山にデッケンシファカといった具合。9種のシファカと住処の森を紹介すると同時に、そこで見られる他の生き物(といっても、キツネザルばかりだけど)が紹介される。出てくるキツネザル類は、絶滅した大型種3種を含めて、40種。すべてに絵がついていて、大きさや食性、社会などの解説付き。ちょっとしたキツネザル図鑑としても楽しめる。

 お薦め度:★★★  対象:マダガスカルの環境とキツネザルが気になる人
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